AI時代の教育=>人間の役割とは

AI時代の教育=>人間の役割とは

前回の投稿ではHuman in the Loopの本質的役割について解説しました。関連テーマとして思うのは、ChatGPTなどの生成AIが教育現場に広がる中、「先生はもう必要ないのでは?」という疑問です。しかし、果たしてそれは本当でしょうか?

AIの得意なことと限界

AIは膨大な知識を即座に提供し、繰り返しの問題演習も疲れずにこなします。例えば、ロイターの記事によれば、米教育企業Cheggは、ChatGPTなどの台頭による需要減少に対応するため、22%の人員を削減しました。

一方で、AIは学習者のモチベーションや感情を汲み取ることができません。悩みや葛藤を共有し、寄り添ってくれる存在は、今も人間にしかできない役割です。

共存型の学びとは?

AIは「教える」のではなく、「一緒に学ぶ」存在として活用できます。例えば、AIに質問してもわからなかった内容を先生と一緒に深掘りすることで、学びはより深まります。

これからの教育者像

  • AIを使いこなすファシリテーター:
    例)ICTに強い現役教師や中高年の元企業内教育担当者。社内研修のノウハウを活かして、AIを授業支援や業務教育に転用。
  • 学習の動機づけを支援するメンター:
    例)部活動顧問経験者や塾講師出身者。子どもとの信頼関係を築く力を活かし、学習に伴走する支援者として活躍。
  • 多様な学びを設計するデザイナー:
    例)元カリキュラム開発者、または現場の感覚を持つ退職教員。経験と勘に基づいて、AIが作り出す教材の順序や難易度を調整し、個々に合った学習体験を構築。

これらの役割には、AIに置き換えられにくい「経験値」や「人間関係構築力」、そして「直感的判断」が活かされます。特に、職をAIにより失う可能性のある中高年層こそ、教育現場でその強みを発揮できる可能性があります。

まとめ

AI時代だからこそ、人間に求められるのは「教える技術」ではなく「つなぐ力」です。学ぶ人と知識、学ぶ人同士をつなぎ、学びに意味と感動を与えるのがこれからの教育のかたちです。

参考文献

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