1. はじめに

画像やセンサー計測の技術と市場展開の両側面を担ってきた筆者は、赤外線・深度センサーなど多様な技術を導入してきました。現在は、カスタマイズ可能なAIビジョン観測プラットフォームを開発し、オンプレミス環境やクラウド型の学習環境に対応しています。

2. 従来型センサーの限界

センサー種別 強み 限界
赤外線センサー 安価・設置容易 人以外も誤検知、同時通過に弱い、情報粒度が低い
深度センサー 奥行き把握が可能 対象の分類や属性識別が困難、屋外使用に制限
画像型センサー 映像取得が可能 AI処理機能が乏しく、カスタマイズ性が限定的

3. AIビジョン観測プラットフォームの特徴

  • オンプレミス対応:ローカルネットワーク内で完結し、セキュリティ面も万全。
  • Web UIで簡単操作:画像アップロード、注釈入力、学習実行はすべてブラウザ上で完結。
  • ドローン・電力設備はカスタマイズ例:対象を問わず応用可能。
  • 学習環境:RTX 4070 Ti SUPER+専用PC、またはWebサービス利用が可能。
  • 出力形式:ONNX、CoreML、GeoJSONなど。

4. 実例:カスタマイズ対応の具体例

4-1. 電力設備での活用

4-2. ドローンによる道路点検

5. AI処理フロー

  1. Web UIに画像と注釈をアップロード
  2. YOLOXで学習、ONNX形式に自動変換
  3. 推論エッジ(Intel N100など)に自動配信
  4. OpenVINOやONNX Runtimeでリアルタイム推論

6. 投資対効果(10拠点・5年想定)

項目 従来センサー AIビジョンプラットフォーム
構成センサー 赤外線/深度センサー ×10 AIセンサー(N100+カメラ)×10
学習環境 不要 RTX 4070 Ti SUPER×1台 or Webサービス
年間点検費 1,200万円 450万円
年間故障損失 900万円 300万円
5年累計削減 5,500万円以上

まとめ

AIビジョン観測プラットフォームは、従来のセンサーでは対応できなかった課題を、ローカル環境・簡単な操作・高精度解析で解決します。ドローン点検や設備監視など、多様な現場で応用可能な柔軟性を持ち、オンプレミス運用にも適しています。